いざというときの防災知識

防炎加工カーテンの効果や必要性、消防法の義務や罰則、洗濯方法は?

2020/04/13
 
カーテンの画像
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防災研究隊
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防炎加工カーテンは洗濯できる?効果や必要性と消防法の義務や罰則は?

防炎加工されたカーテンの効果、必要性、さらに消防法による義務や罰則、洗濯方法について解説します。

防炎カーテンには生地が織り上がってから防炎加工したものと、難燃糸で織られた生地との2種類があります。

防炎加工とは可燃物である繊維に特殊な薬剤(難炎液)にひたすなどして、燃えにくくなる加工をほどこしたもので、日本防炎協会によって行われる防炎性能基準試験をクリアしたものです。

消防法では防炎表示をしたものなら、防炎物品として「防炎ラベル」を貼って販売できます。基準をクリアしないカーテンにはこのラベルがありません。

ちなみに、海外のカーテンの場合でも日本国内の基準を満たさないと防炎物品としては認められないので、ラベルが貼られていない製品もあるわけですね。

防炎カーテンの効果と必要性

防炎カーテンでの防炎性能とは「燃えにくい」性能を意味していて、燃えないわけではありません。

防炎カーテンはポリエステルのような難燃糸や難燃液の性質によって、火がついても溶けていくために着火が遅くなったり、燃焼に時間がかかったりする効果があります。

時間はふつうのカーテンに比べたら、5分から10分の違いです。しかし、この時間を稼いでくれるからこそ、「フラッシュオーバー」を遅らせて避難する時間を持てるわけです。

「フラッシュオーバー」とは室内の火災による熱で可燃物が熱分解し、引火性のガスが発生して室内に充満すると、カーテンなどの可燃性素材が一気に発火する現象です。

一定濃度の可燃性の粉塵が大気などの気体中に浮遊した状態で、火花などにより引火して爆発を起こす「粉塵爆発」に似た現象です。

フラッシュオーバーが起きると、1,000℃を超える高温の環境が一気に広範囲に広がって避難もできず、消火もむずかしくなり、全焼は必至と言われています。

高層マンションなどへの消防法による義務

病院やホテル、飲食店などの不特定多数の人が出入りする施設、地上31m以上の高層マンションなどには、防炎カーテンの使用義務があります。

31mで換算すると、およそ11階建ての高層マンション。

この場合、注意しなければならないのは、11階以上の世帯だけに使用義務があるのではなく、たとえ1階であっても防炎カーテンを使わなければならないということなんですね。

つまり、消火活動が難しい高層建築物だからこそ、延焼させないために義務付けられているというわけです。

消防法で該当する建造物に関しては、こちらの「公益財団法人日本防炎協会」のホームページにくわしく載っているので参照してください。

公益財団法人日本防炎協会

消防法に違反したときの罰則

消防法の対象となるのは「防火対象物」の所有者・管理者・占有者などです。

消防用設備の点検はその結果を定期的に報告しなければなりませんが、報告がない場合は取り締まりが強化されて、消防署による指導や警告が言い渡されます。

それでも改善されない場合は、略式起訴が実施されることに。

たとえば、防火対象物に対する措置命令(火災の予防又は消防活動の障害除去)に従わなかった場合には、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が言い渡されます。

略式起訴はこのような場合に、通常の起訴手続きを簡略化した起訴方法で使われます。

また、内容によっては、法人の代表者、または法人もしくは代理人が違反行為を行った場合、法人も対象者となります。

個人の対象者が違反行為をしても、法人に対して同時に罰則が科せられるきびしいケースもあります。

原則的に消防機関が一般家庭に立ち入って査察をすることはありませんが、違反した場合には罰則が定められていることは理解しておきましょう。

防炎カーテンは洗濯できる?

カーテンには埃がつきますから、できれば自宅の洗濯機で洗濯したいという方は多いですよね。

近年発売されている防炎カーテンには洗濯できるタイプもありますが、古いカーテンは洗濯できないものが多くなっています。

難炎で液防炎加工したカーテンは洗濯によって薬剤が落ちてしまうと、防炎性能が失われてしまいます。

これにたいして、最近の防炎カーテンは洗っても効果が続くタイプが出てきています。

洗濯しても大丈夫かどうかの目安は、商品紹介に洗濯機で洗える「ウォッシャブル」という説明があるかどうか、確認することです。

「防炎ラベル」を確認すると、ラベルの下に小さく「洗濯した場合は要防炎処理」と書かれているものもあります。

洗っても大丈夫という商品の防炎ラベルには、注意書きはありません。

ちなみに、本記事で紹介している2タイプともウォッシャブルタイプです。

平成13年(2001年)9月1日に「新宿歌舞伎町の小規模雑居ビル火災」が発生、44名の犠牲者を出す惨事となりました。

原因は消防法に基づいた設備の設置・点検が行われなかったことでした。

この事件をきっかけに、翌年には消防法の一部が改正され、立入検査や措置命令に係る規定の大幅な見直しが行われることになったんですね。

違反是正、防火管理の徹底など避難安全基準の強化を中心とし、大規模な改正となりました。

 

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