農林水産省推奨の家庭備蓄・災害時に備える米や水、非常食の量は?
農林水産省推奨の家庭備蓄・災害時に家庭で備える米や水、非常食の量とは
農林水産省推奨の家庭備蓄・災害時に備える米や水、非常食の量について解説します。
備蓄品リストはさまざまなメディアで取り上げられていて、ネットでも情報は載っていますが、数が多すぎて混乱しがちですよね。
とくに基本となるお米や水、非常食の量はどのくらいなの?という疑問の答えが見つかりにくいようです。
もくじ
そこで、農林水産省が推奨しているデータをもとに、災害でライフライン(電気、ガス、水道)が停止、自宅で1週間過ごす場合に大人ひとりが必要な量を紹介してみましょう。
ちなみに、ローリングストックの非常食だけでなく、備蓄品も含めた収納方法に悩んでいる場合には「まず3つに分ける」というこちらのアイデアを参考にしてくださいね。
備蓄の基本は主食(炭水化物)+主菜(たんぱく質)+水
備蓄の非常食は主食(炭水化物)+主菜(たんぱく質)の組み合わせです。これに副菜やお菓子を足していきます。
量としては最低でも3日以上、広域災害になると現実的にはそれ以上かかるため、できれば1週間分が推奨されています。
ライフラインが停止する場合を想定すると、カセットコンロなどの熱源も必要です。カセットコンロを使う場合にも1週間分としてガスボンベ6本が必要になります。
防災の備蓄米は1日ひとり当たりどのくらい?
農林水産省が推奨している、炭水化物となる主食の柱は「お米」となっていて、カセットコンロなどの熱源があると想定した場合、1週間でひとり2㎏とされています。
この計算の根拠はひとり1食で0.5合(75g)を食べる計算になっています。
75g×3食×7日間=1,575g
大人がひとりなら2㎏分のお米があれば十分という計算になります。
ちょっと少ないかもと思いますが、農林水産省ではお米のほかに麺類の備蓄も推奨しているからだと思われます。
大人ひとりあたりで乾麺の300gか600gの袋を2袋、カップ麺3個、パックご飯が3つ、シリアルや牛乳はお好みでというようにです。
つまり、同じ主食では飽きてしまうので、ある程度バリエーションも持たせた上での計算なんですね。
いずれにしても、家庭単位ならふだんからお米を5㎏や10㎏で購入しておいて、減ってきたら補充するという方法をとっておけば問題なさそうです。
非常食のたんぱく質はレトルト食品と缶詰で
非常食のたんぱく質はレトルト食品と缶詰が中心となります。
大人ひとり1週間分として農林水産省が推奨しているのが牛丼の素、カレーなどのレトルト食品が9パック、パスタソースが3個、肉や魚の缶詰が9個となっています。
副菜はふだんの生活の延長としてそろえておく
このほかに量の指定はありませんが、副菜としてジャガイモ、たまねぎなどの日持ちのする根菜類、梅干し、のり、乾燥ワカメ、インスタント味噌汁やスープ、野菜ジュースなどの用意も推奨されています。
これらは非常食というよりも、ふだんから消費する食材として多めにストックしておくという感覚ですね。
調味料は余裕をもって切らさないようにしておきましょう。
甘いお菓子も忘れずに
このほかに、チョコレートやビスケットなどのお菓子類の用意も推奨されています。
災害時にはこれからいつどうなるかわからず、不安・ストレスを抱えるようになります。
長時間の精神的な疲弊をやわらげてくれるのが「食」であり、なかでも「甘いもの」は気持ちを落ち着かせてくれる効果があるんですね。
食べ慣れた物や好きなお菓子は、緊急時にわずかな喜びと日常を取り戻してくれますよ。
備蓄の水は1日ひとり当たりどのくらい?
農林水産省では水は調理用に使う分も含めると1人当たり1日2リットル、理想は3リットルを推奨しています。
1週間分とするとひとりで水21リットル、2リットルのペットボトルで11本分にもなる計算に。
しかも、これはあくまで飲料水であり、生活の備蓄水はほかに必要です。農林水産省では食品関係だけの備蓄を扱っているのでそのほかの情報にも目を向けてみましょう。
東京都水道局が公開しているデータによれば、家庭で一日ひとりが使用する水の量は「平均219リットル程度(2015年度のデータ)」。
これには洗面や手洗いのほかに洗車、シャワーなどもありますから、緊急のときにはもっと少なくなります。
体をウエットティッシュなどで拭くなどして、入浴に水を使わないことも考えられますね。
トイレに流す水がいちばん多く使う
現実的にはトイレに流す水、この水の量がとても多く必要です。
日本の水洗トイレでは近年発売された便器と昔の便器では、1回に流す水の量がまったく違います。
現在使っているトイレが1990年代に製造されたものならば、小レバーなしですべて大で流すと約13~15リットルも水を使います。
TOTOのデータによると、1999年以降の「大」8リットルモデルで「小」は約6リットル、2006年以降の「大」6リットルモデルで「小」は約5リットル、最新の「大」4.8リットルモデルで「小」は約3.8リットルです。
このように、トイレの製造年によってもメーカーによっても違うので、正確に知るためには使っている水洗トイレの取扱説明書を確認しておきましょう。
一日当たりトイレで一人が使用する水の量はこのように計算します。
TOTOのデータで1999年以降の「大」8リットルモデルを例にとり、大1日1回、小1日5回という人の場合はこうなります。
大8リットル×1回+小6リットル×5回=38リットル
これでもかなりの量ですよね。どこで調達するのかといえば、お風呂にためた水だけでなく、貯水タンク、レインセラーも使えれば心配ありません。
東日本大震災のときには断水により、近くの公園のトイレに人が集中してすぐに使えなくなってしまいました。
衛生的にも家庭で済ませるのがいちばんです。
なかなか水を用意できない場合には、簡易トイレ(携帯トイレ)のように水を使わないグッズを用意しておきましょう。
簡易トイレに関してはこちらの記事で紹介しています。