簡易トイレで防災・非常用備蓄の目安、水洗トイレでの使い方、捨て方
簡易トイレで防災・非常用備蓄の目安、水洗洋式トイレでの使い方、捨て方
防災用簡易トイレの備蓄の目安や、水洗洋式トイレでの使い方や捨て方について解説します。
簡易トイレとは災害が発生した直後、断水などが原因で水洗トイレが使えなくなったときに使うトイレです。
非常時以外にも遠距離ドライブ、キャンプ、登山で使うケースもありますが、使ったことがないという人も多いですね。
もくじ
2011年3月11日の東日本大震災においては、下水インフラの被害によって水洗トイレが使えず、被災地では深刻なトイレ問題が起きました。
トイレが衛生的でないために、女性を中心にトイレに行かなくても済むように食事や水分摂取を控える人も多く、これらが原因で体調を崩したり、慢性疾患が悪化したりというケースが数多くありました。
そのようなことにならないためにも、いざというときに自宅で使える準備だけはしておきましょう。
簡易トイレとはどのようなものか
非常用簡易トイレには、個人(家庭)用携帯トイレと避難所用(共用仮設トイレ)があります。
また、簡易トイレの種類には「便器にセットして使うタイプ」「片手で使うタイプ(携帯トイレ)」「簡易便器が付いているタイプ」の3種類があります。
この記事ではおもに災害による断水時に使う「便器にセットして使うタイプ」を取り上げます。
携帯トイレは袋と凝固剤がセットになっていて、袋の中に用を足して凝固剤で尿や便の水分を吸収して固形化。燃えるゴミとして捨てるものです。
では、簡易トイレの備蓄量はどのくらいを目安にするべきかを解説しましょう。
簡易トイレ・非常用備蓄の目安は何回分?
災害時に必要な非常用備蓄は最低でも3日以上、広域災害になると道路が寸断されることもあり、物資が届くまでに時間がかかるために7日分が推奨されています。
簡易トイレも7日分を目安としましょう。
1日にトイレに行く回数は、大人の平均的な便の回数が1回、排尿回数は通常約5~7回とされています。
以上のデータから、トイレに行くのが1日7回の7日分として、ひとりで49回分もの凝固剤が必要となるわけですね。
それに家族の人数をかけることになるので、簡易トイレの備蓄だけでも相当な量になります。
また、冬の寒い時期や高齢・持病のある方などはもっと多い可能性もあるので、それぞれ日常の回数で増減を調整してみてください。
簡易トイレセットは1回・10回・30回・50回・80回・100回分がある
販売されている簡易トイレセットには1回・10回・30回・50回・80回・100回分があります。
数が少ないのは遠距離ドライブ、キャンプ、登山向きで、回数の多いのが家族向けですね。
簡易トイレセットの価格比較に関しては別記事で紹介します。
水洗洋式トイレでの使い方、捨て方
簡易トイレというと自作セットを作ろうと考える人もいますが、あくまでもそれは自宅で使い慣れた水洗洋式トイレが使えない場合と考えましょう。
災害時には精神的な不安もあります。また、袋の中に用を足すという慣れない動作から緊張感も生まれがちです。
できるだけいつものトイレ環境に近づけたほうが、安心できるわけですね。
洋式トイレでの使い方
簡易トイレの使い方は、いつもトイレで使っている便器に2枚の袋をかぶせて使います。
1枚目の袋は「下地袋」としていつも敷いたままにしておき、その上に2枚目をかぶせて、使ったら2枚目だけを捨てていきます。
1.便器に1枚目の「下地袋」を被せる
2.下地袋に腕を突っ込んで、便器の底の貯水部分に袋を押し込んでへこみを作る
3.便器の東西南北の面に、袋を4箇所ほど養生テープ(あとではがしやすいテープ)でとめる
4.便器に2枚目を被せる
5.2をくりかえす
6.2枚目はテープで止めず、便座をおろしてはさんだら完成
簡易トイレの捨て方
1枚目の「下地袋」は捨てずに、2枚目の袋だけを処理します。
1.2枚目として被せた袋の手前を片手でつかみ引き上げる
2.袋の空気を抜いて口元をしばる
3.ほかのゴミと分けておき、燃えるゴミとして出す
ちなみに、トイレが使えるようになったら最後に「下地袋」を捨てるわけですが、そのときにはまず新聞紙を用意しておきましょう。
下地袋を取り出してみると、袋の底が便器の水に浸かっているので新聞紙で包み、さらに袋に入れて捨てると衛生的で安心です。
地震などの大規模災害発生後は、ごみ処理施設の点検・安全確保のために、しばらくはゴミが出せないケースが多くなります。
簡易トイレは可燃ゴミとして出せる自治体が多いですが、収集の方法が一般の可燃ゴミとは違う場合もあるので、ひとまずはほかのゴミと分けて保管して、自治体に問い合わせましょう。