いざというときの防災知識

ガムテープで止血!防災時のナプキンなどの利用や止血帯法・使い方まで

2020/12/13
 
包帯の画像
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過去最大の災害と呼ばれる天災が世界中で頻発しています。自分や家族を守るための減災知識や、いざというときに家庭でできる備えやグッズなど、評価の高いものから調べて掲載しています。なにかが起きるまえに、ぜひ準備してくださいね。

ガムテープで止血!防災時のナプキン・ハンカチの利用や止血帯法とは

防災時にはガムテープをナプキン・ハンカチ・ネクタイ・ラップなどのいずれかと組み合わせて使うと、止血に役立ちます。

全身を巡る血液量は体重の約8%といわれ、全血液量の20%以上の血液がなくなると、人間は出血性ショックを起こしてしまうんですね。

出血性ショックは外傷による出血だけでなく、消化管など体内からの内出血でも見られます。

この状態になると血液の循環が悪くなり、全身の組織や臓器に血液からの酸素や栄養が十分運ばれなくなるので、 組織や臓器に重大な障害を引き起こしてしまいます。

そこで、止血手当を迅速に行う必要があるわけです。ここではガムテープを使った止血法、大量出血の場合に行う止血帯法やターニケットについて解説します。

止血で圧迫するのはなぜ?

止血法は出血部位を手で圧迫する「直接圧迫止血法」が基本となります。

人間の体には血液の凝固作用や血管の収縮によって、血液の流出を抑えようとする機能が備わっています。

しかし、このような修復機能には限界があり、主要な血管や動脈が傷付いたりするほどの重大な負傷の場合は止血能力を超えてしまいます。

止血している画像

止血で圧迫するのはなぜかというと、この止血機能を補助するために直接血管を圧迫して血液の流れを止める必要があるからなんですね。

手足の大きな血管からの出血の場合にはこの方法で止血できないため、最終手段として止血帯法があります(後述)。

ナプキン・ハンカチ・ネクタイ・ラップの利用法

緊急時に止血テープとして使えるガムテープですが、粘着力が強いので直接肌に巻き付けるとテープを外した際に傷口が開いてしまいます。

そこで、まずは清潔なナプキン・ハンカチ・ガーゼ・タオル・ラップがあればそれで傷口を覆います。

ラップはもともと細菌や病原菌が体内に侵入するのを防ぐために作られた軍事用品です。

水やホコリも寄せ付けない素材なので衛生的ですが、欠点は通気性が悪いこと。ラップを巻く場合は数時間単位で小まめな交換をするのがおすすめです。

傷口を覆ったら、その上からガムテープを巻き付けて固定していきましょう。

ネクタイがあれば、ネクタイでぐるぐる巻いてからガムテープを貼れば包帯の代用になります。

ガムテープがない場合や指先などの傷には

ガムテープがなかったり、指先などの小さな傷だったりする場合は「輪ゴム」で代用できますが、強くしばるのはおすすめしません。

止血で手足を細いヒモや針金で縛ると神経や筋肉を損傷するおそれがあるためです。

止血に関する注意点と止血後の処置

止血の手当てを行うときは、負傷者の血液から救助者が感染しないように、ゴム手袋やビニール袋などを手袋代わりに利用して止血を行ってください。

片手で圧迫しても止血しないときは、両手で体重を乗せながら圧迫止血をします。

出血部位と圧迫部位がずれていたり、圧迫する力が足りなかったりすると血が止まりません。

血液検査のときに、看護師の方が注射のあとをわりと強めに押さえてくれますが、あの要領ですね。

刃物などが深く刺さっている場合は刺さった物で止血されているので、抜かずにまわりを清潔なタオルなどで覆って固定しましょう。

止血後の処置として、手足から出血した場合には傷口を心臓より高い位置にあげると、心臓から血が届きにくくなります。

頭部からの出血の場合、圧迫止血ができたら包帯を巻いて医療機関へ行くようにしましょう。

ちなみに、止血帯は上記のように通販でも販売されていて、1,000円以下で購入することができます。

止血帯法とは?応急処置の最終手段

止血帯法とは直接圧迫止血法で止血できない大量の動脈性出血の場合、手足に限って帯状のものを使って止血する方法です。

ただし、この方法は神経などを痛める危険がありますから、安全に処置できる習熟者にやってもらう必要があります。

1・止血帯は3cm以上の幅の広いものを用意する
2・ガーゼなどの布を傷口に当てて押さえる
3・血が出ている部分より3cmほど離して止血帯を巻いていき、指3本分ほど余裕を残して一度縛る
4・棒を入れて出血が止まるまで、ゆっくりしぼりあげるように回す
5・出血が止まったら止血帯を棒にも巻き付けて固定
6・身体(腕の場合には腕)にも止血帯を巻き付ける
7・棒の近くで本結びをして固定
8・処置をした時間のメモを止血帯にくくりつけておく
9・医療機関へ行けない場合は30分に1回止血帯をゆるめる。出血が続けば再固定する

止血帯のターニケットの使い方

止血帯はターニケットという名前で、製品化されています。

基本的な用途は大きな男性や腕よりも太い足などに使うものですが、腕用の細いタイプも販売されています。

ロットをしぼりあげて止血するタイプでは、性能に応じて6,000円から9,000円くらいの価格の幅があります。

使い方はバンドを患部に巻いてロットをまわしていくだけです。

足を怪我した場合、上で固定するときに膝にかかってしまったら、膝の上で固定しましょう。

ターニケットの使い方

1・バンドが縮んでいるので、まずバンドを引っ張って伸ばす
2・バックルが身体の外側側面を向くようにしてバンドを患部に巻き付ける
3・バンドをバックルに通して指3本分ほど余裕を残して固定
4・ロットを出血が止まるまで回す
5・出血が止まったらロットグリップにロットを固定
6・処置をした時間をタイムストラップに記入
7・医療機関へ行けない場合は30分に1回止血帯をゆるめる。出血が続けば再固定する

止血してもまた出血が始まった場合

一度出血が止まってもまた出血が始まってしまった場合は、処置した止血帯を残したうえで、さらに処置をしましょう。

体の中枢にさらに近い部分、つまり心臓に近い部分で同じように止血帯を巻いていきます。

止血には患者の痛みがともないますから、状況を見ながら慎重に行ってくださいね。

 

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