「おはしも・おかしもすき」地震や火事の避難訓練に使う防災用語とは
「おはしも・おかしもすき」地震や火事の避難訓練に使う防災用語とは
「おはしも・おかしもすき」という防災用語があります。保育園や小学校などで地震や火事の避難訓練のときに使う防災用語ですね。
この言葉には地域によって「おかしも」などのバリエーションがあり、時代が進むとともに要素が付け足されてアレンジされつつあります。
今回はこれらの防災用語の意味や成り立ち、バリエーションなどを紹介していきます。
もくじ
阪神・淡路大震災後に作られた「おはし」が始まり
1995年1月17日における阪神・淡路大震災の後、消防庁が小学校の低学年を対象とした避難訓練用語を作成しました。
それが「おはし(押さない・走らない・しゃべらない)」で、教育指導ガイドラインに掲載され、全国の小学校で使用されることになったんですね。
これが今日現在の避難訓練用語の基礎となっています。
『お』・ 押さない
(避難中に前の人を押してしまうと、怪我をしてしまう)
『は』・ 走らない
(急いで逃げないといけないけれど、怪我防止のために走ってはいけない)
『し』・ しゃべらない
(避難指示がちゃんと聞けるようにしゃべってはいけない)
「おはしも」の発展形が「おはしもて・おかしも・おかしもすき」
現在は「おはし」に一語を加えた「おはしも」が標語となっています。
『も』・ 戻らない
(忘れ物があっても避難してきた場所に戻ってはいけない)
ちなみに、「おはしも」の代わりに「おかしも」を使う地域もあります。
『お』・ 押さない
『か』・ 駆けない
『し』・ しゃべらない
『も』・ 戻らない
「走らない」と「駆けない」は同じ意味ですが、言葉のニュアンスの違いでどちらを選ぶようですね。
さらに、小学校の高学年向き一語を加えた「おはしもて」の5文字も出てきました。次の意味です。
『て』・ 低学年優先
(低学年を優先してあげよう)
「おかしもち」という6文字タイプもあります。これまでの「おかしも」までは同じで、最後に『ち』が入っています。
『ち』・ 近寄らない
(どんな事情があっても避難してきた場所に近寄ってはいけない)
さらに「おかしもすき」という6文字タイプもあります。こちらも「おかしも」まではこれまでと同じ意味で、2文字が追加されています。
大妻嵐山中学校・高等学校で使われた言葉が広まったようですね。
『す』・ すばやく動く
『き』・ よく聞く
保育園の避難訓練のお話に使える「おかしも」の紙芝居
保育園の避難訓練で使える「おかしも」は、インターネットから無料の紙芝居がダウンロードできます。
危険学プロジェクトグループ作、絵・ちかいしなおこさん、監修・畑村洋太郎さんによる教材として火事編と地震編があり、無料で教材のダウンロードができます。
教育者のみなさまは活用してみてくださいね。このほかに、無料でイラストが使えるサイトもあります。
本サイトでも使わせていただいていますが、オリジナルで絵本を作りたいとき、教育素材でイラストを使いたいときなどに便利なのでチェックしてみてくださいね。こちらです。