池内刃物マキリ・剣鉈・山鉈・美貴久とは?サバイバルでも銃刀法に注意
池内刃物のマキリ・剣鉈・山鉈・美貴久とは?銃刀法にも注意が必要
アウトドアや緊急時の焚火の薪割りなどに使える兵庫県三木市の人気メーカー、「池内刃物」のマキリ・剣鉈・山鉈・美貴久の特徴について調べてみました。
もくじ
キャンプで万能ツールになる鉈(なた)は、山では薪割り、渓流や海では魚をさばくためのナイフにも使えます。
とはいえ、日本の法律では「刃渡り5.5cm以上のナイフを正当な理由なく持ち歩く」ことを銃刀法で禁止されていますから、扱いに注意が必要です。
銃刀法では所持する際には「正当な理由」が必要
気を付けなければならないのは、防災や救護目的での所持でも正当な理由とは見なされないことです。
たとえば、被災地でボランティアが刃物類を所持していると任意提出(没収)させられてしまうんですね。
「護身用」というのも認められません。いっぽうで、銃刀法の対象にはならないケースもあります。
それはキャンプや釣りなどの理由でナイフを必要とするときだったり、販売店で包丁を購入して帰るとき、仕事で使用するときに所持している場合です。
つまり、一般的にはふだんしまっておいて、アウトドアで焚火用の薪割りをしたりするのに使うイメージですね。
私も鉈などの道具がありますが、おもに自宅にある植木の手入れやゴミ出し用の解体に使っています。
また、台風のときに自宅内で倒木があったり、自宅が損壊したりしたら、それらの道具を緊急脱出用に使うことも考えています。
とはいえ、自宅外に持ち出さないように注意しています。
ちなみに、アウトドア用に刃物を持ち出す際にはキャンプ道具を所持して、キャンプ場の予約、身元の確かな同行者など、キャンプで使うことを証明できるようにしておくのがベストです。
それらの条件がそろっていないと正当な理由として認めてもらえない可能性もあります。
以上を踏まえたうえで、専門家に人気の逸品を紹介します。
伝統的工芸品「播州三木打刃物」の歴史と池内刃物とは
池内刃物は伝統的な播州三木打刃物(ばんしゅうみきうちはもの)の技術と新技術の組合せにより、切れ味と耐久性に優れた刃物を製造しているメーカーで、世界の職人さんに愛用者がいることでも知られています。
播州三木打刃物とは兵庫県三木市の伝統的工芸品。
安土桃山時代の末期、兵庫県三木市にあった三木城が羽柴秀吉に攻められて落城、三木の町は破壊されました。
その後、秀吉が町民の諸税を免じて町の復興を図り、神社、仏閣、家屋の再建のため、大工職人が各地から集まったことがきっかけとなり、地元の大工道具の発展につながったんですね。
播州三木打刃物は平成8年には全国伝統的工芸品として指定を受けました。
池内刃物は60年間、小刀・細工用刃物・接木小刀・園芸用ナタ・包丁・各種刃物の製造販売を行っていますが、なかでもよく知られているのがマキリ・剣鉈・山鉈・美貴久です。
マキリとはアイヌ語が発祥の小刀
マキリとはアイヌ語で「小刀」を意味するもので、アイヌ民族によって使われた短刀が発祥と言われています。
その後、マタギを始めとした日本の猟師に使われるようになり、現在はおもに漁師さんや職人さんが漁場で魚をさばいたりするのに使われるようになりました。
浜辺での作業からアウトドア、包丁、万能ナイフとして幅広く使えます。
剣鉈は狩猟やキャンプ用に
剣鉈(けんなた)とは先端が刀のように尖ったナタで、銃猟や罠猟で獲物を仕留めた後の血抜きや解体をしたり、もしものときにイノシシと戦ったりする護身の役割もあったりします。
また、人が通ったこともないような山道を歩くときに、ヤブを払ったりするのにも便利な刀剣として山仕事をするプロにとっての万能刃物なんですね。
一般的には渓流・登山・キャンプなど幅広いケースで使えます。
山鉈は強靭なグリップで薪割り用に
山鉈とは狩猟用・釣り・キャンプなどに使われるもので、細かく分ければ先ほど紹介した剣鉈はこの種類に含まれます。
先がとがっていないので、木の枝打ちや焚火に使う薪を割るのに便利です。
異種の金属を積層鍛造して模様を浮かび上がらせた鋼材を積層鋼と呼びますが、池内刃物の山鉈はこの積層鋼を使用しているので、本体側面に独特な雲流の模様が入っています。
片刃タイプと諸刃(両刃)タイプがあります。
美貴久とは本鍛造手打ち商品シリーズの小刀系
美貴久とは古来よりの製法(熱間鍛造・冷間鍛造)に現在の技術を取り入れ、母体に積層材を使用し、青紙2号を鍛接した池内刃物の本鍛造手打ち商品シリーズです。
青紙2号とは高級刃物に使用される青紙鋼で、砂鉄系の原料である白紙にクローム、タングステン、炭素の化合物が含まれています。
号の数値は炭素が多いほうから1号、2号、3号と付いています。
小刀、小包丁、皮を裁断する為の包丁などがあります。
いい道具をもつと気持ちがあがりますから、「道具は気分で持ちたい」と語る人もいます。
私も植木の手入れをよくするので、気持ちはよくわかりますね。
とはいえ、日本の法律は刃物に対しては非常に厳しいので、扱いや保管には十分注意してくださいね。