非常食のローリングストックとは?難しい、失敗した場合のおすすめ方法
非常食のローリングストックとは?難しい、失敗した場合のおすすめ方法
非常食のローリングストックとはどのようなものか、失敗したり難しいと感じたりした場合のおすすめ方法を解説します。
ローリングストックは食品に限らず、日頃から自宅で利用しているものを多めに備えて、災害時に自宅で当面生活していくための方法です。
普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、つねに一定量の食料を自宅に備蓄できるわけですね。
内閣府の防災情報で推奨されているのは、被災後最低でも3日分。
とはいえ、災害が起きると交通機能や物流機能がストップしてしまうために、物資が届かなかったりするのが現実なので、できれば7日分の食事の備蓄が推奨されています。
これを家族単位で換算すると、4人家族の場合は以下の通りですね。
1日3食×家族4人×7日間=84食分
実際にそろえるとなると、かなりの備蓄量となり、実践してみると難しいという体験談が多いのも事実。なぜ、そのようなことになるのか、まずは失敗する原因から見ていきましょう。
ローリングストックは難しい?失敗の理由は「日常備蓄の管理疲れ」
日常の食材の備蓄だからこそ、多いと収納がたいへん
ローリングストックは日常の食材の備蓄だからこそ、キッチンで取り出しやすい場所に収納しないと面倒になりますね。
ところが、数が多いと引き出しに入りません。また、使い切った食品と入れ替えるために、奥から次のストックをまた出してこなければなりません。
そのような管理を継続していくことに、だんだん疲れてしまうわけです。
食べ物に好みがある、飽きてしまう
たとえば、備蓄リストによくあげられる商品としてカップ麺があります。
しかし、非常用としてはよくてもインスタント食品をふだん食べない家庭ならあまり口にしないので、ふだんの生活のなかで食べることに抵抗を感じる人もいます。
その結果、家族のだれも食べたがらずに残ってしまうことになります。
また、カップ麺以外で食べ物を厳選して選んでも、あくまでも保存食なのでそのうちに「同じパターンの味」に飽きてしまって食べなくなる傾向もあります。
いつの間にか、家族が盗み食いをしている(笑)
せっかく備蓄しておいたのに、おいしいものであればあるほど、知らないうちに家族に食べられてしまうものです。
私も経験がありますが、お酒のつまみがないときについ…。
それが見つかって「明日、必ず買ってきて補充するから」と言っても、また同じことをくりかえす羽目に。
おやつやお菓子なども緊急時にはストレス解消に必要なものとして重要視されているだけに、備蓄しないわけにもいきませんよね。
賞味期限を管理しきれない
上記3項目に関連しますが、あまり人気のない食品はどうしても残りがちになり、賞味期限を過ぎてしまう食品も出てきます。
また、毎日使いそうな水でもまとめて備蓄しておくと場所をとるので奥にしまいこんでおいたまま、賞味期限そのものを忘れてしまい、まだ大丈夫だろうと油断してしまう結果にもなります。
ローリングストックを失敗しないための解決法
ローリングストックを失敗しないための解決法として、いくつかの方法を紹介しましょう。
一般的におすすめされる食品ではなく、家族の好みで揃える
備蓄には一般的にこれがいいとおすすめされる食品ではなく、あくまでも家族の好みで食品を揃えましょう。
好きなものを選べば頻繁に消費できるので、賞味期限も気にせず選べます。とはいえ、飽きてきたら食品を変えることも必要です。
ちなみに、日本のローリングストックで通販人気が高いのは、上で紹介したアマノフーズ、さらにレトルト食品が充実している無印良品です。
アレンジの効くパスタなどの乾麺が便利
乾麺の賞味期限は長く、パスタの賞味期限も2年以上ありますね。そこでこの乾麺をうまく利用しましょう。
ネットで「パスタ ローリングストック」で調べると、いろんなアレンジの効くレシピが載っています。
でも、パスタは非常時に貴重な水で茹でて、水を捨てなければならないのがふつうです。
水をムダにしたくない場合には、警視庁警備部災害対策課のTwitterで公開された、非常時の「パスタ調理法」を紹介しましょう。
それが「警視庁オススメ水漬けパスタ」。下準備に時間はかかりますが、水をムダにしない調理法です。
1・市販のパスタを4時間水に漬ける
2・茹でずに薄切りしたハムとタマネギ、ケチャップで1分炒めてナポリタン風に仕上げる
食材がまだ冷蔵庫にある状態なら、停電などで食材がいたむ前にいろいろ入れて使えますね。
麺が細いほど時間が短縮できるので、細めのパスタがおすすめです。
また、他の乾麺でもできるので、そうめん・そば・細うどんなどでふだんの食事として一度作ってみてください。
賞味期限管理用の備蓄リスト・無料アプリ・カレンダーなどを使う
賞味期限管理用のリストが農林水産省のホームページからダウンロードできますので紹介します。
かなり細かく記入する用紙ですが、めんどうならご家庭用にカスタマイズしてみてください。
ちなみに、「災害時に備えた食品ストックガイド」などもありますので参考になります。
そのほかにも賞味期限管理用の無料アプリとして「リミッター(Limiter)」「マイくら」などがあります。
食品のバーコードを読み込めば賞味期限を通知してくれるので、賞味期限前に商品を使えます。「賞味期限 無料アプリ」で探すと出てきます。
もっとラクに管理したい場合は、まとめて購入しておいて賞味期限をカレンダーに直接書き込んでしまうのがいちばんラクですね。
このほかに食材の包装にマジックで大きく書いてしまうという方法もあります。このあたりは家庭の環境や事情に合わせて選んでみてください。
家族で役割分担をする
家庭でママさんだけががんばっていて、家族が協力してくれないという話はよく聞きます。
それではやりがいもなくなってしまうので、飲み物担当はパパ、お菓子はお子さんなど、ある程度、家族で役割分担することで気持ちがラクになります。
一定量に保ちながら備蓄品の鮮度を保てれば、いざという時にも日常生活に近い食生活を送ることができます。
災害やウイルスのまん延で買い占めも起きています。突然、在庫が消えてしまう前に、いまある食材だけでも確保しておきましょう。