1月26日は文化財防火デー・文化財とは?意味や文化財保護法第93条は
1月26日は文化財防火デー・文化財とは?意味や文化財保護法第93条は
1月26日が何の日でしょうか。この日は「文化財防火デー」です。この記事では文化財や文化財保護法とはなにか、その意味、文化遺産との違い、文化財保護法、そして同法の第93条とはなにかなど、わかりやすく簡単に解説します。
また、文化財防火デーの訓練・イベントも紹介していきます。
もくじ
1月26日が文化財防火デーに決められたのは、ある火事が発端となっています。
制定の由来は、1949年1月26日に世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上、壁画が焼損してしまったことがきっかけでした。
飛鳥時代から伝わる貴重な芸術作品の焼損は、社会に強い衝撃を与えましたが、それからわずか半年足らずの間に当時の国宝2件が引き続いて火災に遭ってしまいます。
同年2月には愛媛県の松山城の筒井門等3棟、6月には北海道の松前城の天守等2棟が焼失。これらの火災から文化財保護の議論が高まり、1950年に文化財保護法が制定されたんですね。
その後、文化財保護委員会(現・文化庁)と国家消防本部(現・消防庁)が文化財を守るという意識高揚をはかる目的で、1月26日を「文化財防火デー」と定めています。
これは当日が法隆寺金堂が焼損した日であり、1月と2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期だという意味がありました。
文化財・文化財保護法とはなにか?意味や文化遺産との違いは?
文化財や文化財保護法とはなにか、その意味や文化遺産との違いについて解説します。
文化財とは人類の文化的活動によって生まれた有形・無形を含む文化的所産を言います。
有形文化財には歴史や芸術、学術的に価値の高い建造物・工芸品・彫刻・書跡・典籍・古文書・考古資料・歴史資料などが含まれます。
無形文化財とは人間の技術や民俗伝承を指していて、工芸技術・芸術・演劇・音楽など価値の高い技術を体得した個人や集団が選ばれます。
人間国宝といった人達だけでなく、大分県国東市国見町櫛来(くしく)の岩倉八幡社で毎年10月14日に行われる火祭り「ケベス祭」のような地域の伝承も含まれています。
文化財と文化遺産との大きな違いはありませんが、文化遺産は国宝と同じく、国や地域の「象徴的な存在」という意味が上乗せされている分、扱いが上ということになるんですね。
文化財保護法とはなにか、わかりやすく簡単に解説。第93条とは?
文化財保護法とはなにか、そのなかの第93条とはなにかについて、わかりやすく簡単に解説します。
文化財保護法とは1950年に制定され、その後の改正により、従来の有形・無形文化財に文化的景観や生活用具など、伝承されてきた民俗技術も新たに加えられて保護の対象となっている法律です。
具体的には有形文化財・無形文化財・民俗文化財・記念物・文化的景観・伝統的建造物群などがあります。
この法律には管理や保存にあたっての公費補助の条件や、届け出の義務などが明記されています。
国宝や「重要」「特別」といった言葉がつくとワンランク上
先に述べたように、文化財のうちでもとくに重要なものは国宝、重要文化財、特別史跡・特別名勝・特別天然記念物といった形で指定され、管理や保存にあたっては公費の補助が受けられます。
文化財保護法第93条とは
貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した土地の所有者は、現状を維持したまま届け出る義務があります。
とくに土木工事業者の方が気をつけなければならないのが、文化財保護法第93条。
これは土地に埋蔵されている文化財についての法律で、その土地を土木工事の目的で発掘する場合、着手する日の60日前までに文化庁長官へ届け出なければならないというものです。
文化財防火デーの訓練やイベントは
令和2年(2020年)の文化財防火デーの訓練・イベントは、まだコロナウイルスの影響がなかった1月26日前後に、全国各地の文化財所在地において消防訓練という形で実施されました。
消防関係者、文化財関係者、教育関係者、地域住民が協力して行うものです。文化財を大切にするという周知活動が種になっているので、文化財そのものが主役。
派手なイベントというよりは、文化財を中心とした初期消火・屋外避難誘導・放水銃訓練・消火器訓練に消防訓練がセットになったイベントという感じのものが多いようです。
たとえば、東京都台東区では東京国立博物館、兵庫県姫路市では姫路城が文化財所在地として選ばれて実施されています。
国が指定した文化財については、こちらのデータベースで確認できますので、チェックしてみてくださいね。