いざというときの防災知識

防災士とは何ができる仕事?役割やメリット・なるにはどうする?

2021/09/19
 
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過去最大の災害と呼ばれる天災が世界中で頻発しています。自分や家族を守るための減災知識や、いざというときに家庭でできる備えやグッズなど、評価の高いものから調べて掲載しています。なにかが起きるまえに、ぜひ準備してくださいね。

防災士とは何ができる仕事?役割やメリット・なるにはどうするかを解説

防災士とはどんな仕事で、何ができるのか。その役割やメリット、なるにはどうするかについて解説します。

防災士はNPO法人日本防災士機構が、講習や認定試験を通して、防災の意識・知識・技能を持っている人を認定する民間資格です。

民間資格ではありますが、防災士になるには日本防災士機構が実施する認定試験に合格しなければなりません。

まずはNPO法人日本防災士機構がどのような組織なのかについて紹介しましょう。

防災士を認定するNPO法人日本防災士機構とは

NPO法人日本防災士機構は、日本の大手企業を中心に構成される一般社団法人日本経済団体連合会(日本経団連)が2003年(平成15年)に創設した民間組織です。

きっかけとなったのは1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災。

支援物資の画像

このとき、大規模災害によって行政機関も被災して機能できなくなりました。いざという時には、公的機関だけでなく民間パワーの必要性が問われることを痛切に体験することになりました。

そこで日本経団連が主導となって「自助・共助・協働」を原則として地域の防災リーダーを育成。

自然災害において個人や民間組織、公的機関と力を合わせて災害の被害を最小限に食い止められる「減災」の力になってもらおうという目的で設立されたわけですね。

防災士の役割は防災ボランティア活動

防災士の活動は以下のものです。自主的なボランティア活動なので重機を使える人など、個人的な専門技術が活かされる場面もあります。

防災士の役割
平常時 ・家庭の耐震補強、家具固定、備蓄などを進める
・その知識と技術を親戚、友人、知人に広める
・自主防災組織や消防団の活動に参加
・防災講演、災害図上訓練、避難所訓練等のリーダー的立場に
災害時 ・まず自分の身を守り、周囲の避難誘導、初期消火、救出救助活動
・ボランティアでの被災地支援活動
(避難や復旧・復興に係る活動や物資調達・運搬・ガレキ処理など)

防災士のメリットやデメリット・役に立つ資格か、役に立たない資格か?

防災士の役割はこれまで述べたように自発的な防災ボランティア活動です。

防災士の資格を取得したからといって、特定の就職に有利とか、役に立つ資格というものではありません。

どちらかと言えば、自分の生きがい、やりがいにつながる資格ですね。防災士のメリットとデメリットをまとめてみるとこうなります。

メリット ・研修によって家族の安全を守るスキルを得られる
・防災のスキルを地域に活かせて感謝される
(東日本大震災や熊本地震でも防災士が活躍)
・定年退職後の時間を社会貢献に使える
デメリット ・ボランティア活動なので就職できない
・認定されても特別な義務や権限はない
・講座受講料、受験料、登録料などで6万円以上の出費

防災士資格取得に必要な料金は防災士研修センターがこちらで解説しています。

防災士研修センター

防災士になるには

一般の人が防災士になるには日本防災士機構が認証する研修機関で12講座(1講座60分)以上を受講し、研修レポートを提出して履修します(警察官・消防吏員などは資格取得の特例あり)。

講座受講後に防災士資格取得試験を受験します。

軍手の画像

ちなみに、防災士の質を高めるために2018年度までの試験では、7割(21問)以上の正答で合格でしたが、2019 年度より8割(24 問)以上へ合格基準が引き上げられました。

防災士資格取得試験で合格したら実技講習に進みます。

実技講習とは全国の自治体、地域消防署、日本赤十字社等の公的機関が主催する「救急救命講習」です。

その後、日本防災士機構へ登録申請をして登録が終われば防災士になれます。

6万円以上の出費がかかるだけに、防災士としてのボランティア活動に強いモチベーションのある人だけがやり通せる資格といえます。

とはいえ、日本防災士機構が発表している防災士認証登録者数は、2019年12月末日時点で185,249人にものぼります。

地方公共団体が予算を計上して防災士を養成していることも背景にはあるようですね。

 

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