地域の防災運動会の楽しく学べる競技種目・担架リレーや借り物競争など
地域の防災運動会の競技種目・担架リレーや借り物競争とは?
防災イベントとして注目されている防災運動会とはなにか、バケツリレー、担架リレー、借り物競争といった楽しく学べる競技種目などについて解説していきます。
防災イベントは災害を最小限にしようという減災の取り組みとして重要ですが、参加者が少ないことが運営側の悩みなんですね。
お年寄りが多いなどの地域性もありますが、一般の人たちにとって防災イベントは「時間がない」とか「楽しくなさそう」といったイメージがまだあるようです。
そこで、防災イベントを楽しく、参加しやすいものとして考え出されたのが防災運動会です。コロナウイルス対策のために開催自粛の自治体も多いですが、非常時の防災意識を高めるためにも復活してほしいですね。
もくじ
バケツリレー、担架リレー、借り物競争、消化ホース巻き、消火器訓練など、消防署も協力してチーム対抗の運動会にしてしまうという企画なんですね。
小学校などでは体験型防災イベントとして注目される防災運動会。実際にどんなプログラムで工夫されているのか、紹介していきましょう。
プログラムの目的は防災活動に対する基礎能力を高めること
「防災の日」となる9月1日、そして防災の日を含む8月30日から9月5日までは「防災週間」と定められ、全国で防災に関する行事が開催されます。
この期間に、一部市町村の小学校や一般市民向けに開かれているのが防災運動会です。
もともとは行政機関と民間企業が一体となって、防災活動に対する基礎能力を高めるこを目的として開催されたものです。
防災運動会の競技種目
防災運動会の競技種目は災害時に必要な知識を盛り込みながら、娯楽性を持たせるように工夫されています。
「簡易担架リレー」
毛布と物干し竿(あるいは竹の棒)など、身近な物を利用してケガ人や病人を運ぶことを学ぶリレーです。
家にあるもので担架が作れることだけでなく、友人・家族が怪我をしたときにどう運ぶかを学んで、実際の現場で役立ててもらいます。
「畳担架リレー」
担架リレーの畳版。畳を使った担架で、人や人形を落とさないように運びます。
「バケツリレー」
おなじみのバケツリレーですが、水量はどのくらいが適切なのか、間隔はどのくらいなのかなど、正しい方法を身につけます。
阪神・淡路大震災では地震発生直後に火災が同時発生。神戸市の消防力をはるかに超える火災件数でしたが、約8割で市民によるバケツリレーを含む消火活動が行われて成果をあげています。
「土嚢積みレース」
土嚢の積み方には堤防の高さを高くする「積み土のう」や、三日月状に土のうを積んで水の圧力を下げる「月の輪工」などがあります。
指示された積み方で土嚢を素早く積み上げたり、リレーで搬送したりするレースです。
「目隠しゲーム」
目隠しゲームは避難シミュレーションゲームのひとつです。
避難行動中は自己判断となりますから、火災などでまわりが見えない時に自分の感覚がどのくらいか、失敗しながら学ぶゲームなんですね。
「防災借り物競走」
カードに書かれたお題に沿って、防災に役立つ品物を持って2人1組でゴールを目指します。
防災運動会の集客はSNSも活用して多方面に呼びかけること
防災運動会は人が集まらないと盛況になりませんね。成功している町ではいくつもの集客作戦をしています。
・チラシの配布
・LINEやSNSで呼びかける
・地元テレビのニュース番組で紹介してもらう
紙媒体、スマホ、テレビといったように、使えるものをすべて広報活動に使うのが効果的なようです。
楽しんで学びながらも、災害時の避難がどのくらいたいへんなのか、失敗も含めて体感することによって、実用できる知識を身に着けられる防災運動会。全国に広まってほしいイベントです。